Vol.6  山形−田舎まち

何の変哲のないカレンダー。

私がお正月休みに実家へ帰ったときのエピソード。

実家では以前から年末になるとたくさんのカレンダーが舞い込んでいました。すると案の定、久々に帰るやいなや、母から「カレンダー持っていったら?」と言われ、すでに‘そんな必要ないよう〜’と喉まで出かかっておりました。と、その時に、母が「これ綺麗だから役に立つかなと思って、お前にとってたんだよ」と奥から掘り起こすように一つのカレンダーを見せてくれたのでした。それは一見、何の変哲もないカレンダー。

でもそれは、現在デザイン学校に通う私への気遣いでした。母はあまり美意識は持ってない方で、デザイン学校についても一応説明はしていましたが、そんなに理解してないかなあなんて思っていたわけなのですが、私に差し出してくれたカレンダーは、よく見ると色使いが綺麗で私も好きな色合いのものでした。
その時、母なりに私のことを理解してくれていたんだなと感じ、「ありがとうね」と言って素直に受け取りました。

しかし・・持ち帰ったものの私の家は狭くカレンダーを貼る場所がありません・・。‘お母さんごめんなさい’。でも、いつも目に付くところへ置いてますよ。それを見る度にあの時の母の姿を思い出します。

                          writer;moonlit(企画室)


                              


copyright1998:株式会社朝日測量設計事務所
  ASAHI SURVEY & PLANNING OFFICE CO.,LTD.