Vol.44  山形県−天童市
「卓球愛好会」

※画像データですので、もう少しお待ち下さい。

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天童市福祉センターで行なわれている、視覚障害者の卓球愛好会の練習模様を見学させてもらいました。

さて、これが卓球ボールです。一見、普通のボール。中には小さな鉛の玉が3個入っています。このボールを卓球台の上をころがし、その音を頼りにプレーします。


44-2.jpg 視力が少しでも有る人は、アイマスクをして全盲の方と同じ条件でプレーをします。
ボールは、ネットの下をくぐらせて相手方のコートに入れなければなりません。特にサーブは、ネットに少しでも触れるとミスになります。審判員は、目で確かめるのではなく、ネットに手を添えて、振動で正確な判断をしていました。
また、ラケットには、ラバーは張られていません。卓球台の端には、枠が施されているのが、写真からわかりますでしょうか...。相手の枠よりはみ出てしまうと、自分のポイントミスになります。スマッシュオーバーというところかな。

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44-4.jpgサーブは、「いきまーす。」の声かけから始まります。審判も、プレーの内容がお互いに良く解るよう、いろんな言葉が飛び交います。

さて、練習の合間の一休み。ちょっと練習を見させていただいた限りでは、さほどの運動量とも思えなかったのですが、皆さん汗をかいていました。集中力も必要でしょう、とにかく真剣に取り組んでいるんですね。


‘皆さんすごく明るい方達ばかりだよ’とは聞いていたものの、また、部屋に入った雰囲気も開放的であったにもかかわらず、目が見えないことにどこまで踏みこんでいいものやら...。でも、輪の中になかなか入り込めないでいた私に、むこうから声をかけてくださいました。「盲人卓球ははじめてですか?」。その一言で大分気持ちが楽になりました。

べにばな国体をきっかけに始まったこの愛好会。全国大会にも参加し、北海道で行なわれたときには、団体で3位入賞できたとのこと。来月には、福島での親善試合が予定されているようです。審判として活躍している方々はみんな仕事を持ち、子育てまっ最中のお母さん達です。自分のライフワークとして、審判の技術向上のための勉強もかかさず、がんばっていました。
現在、天童市内ばかりではなく、山形や村山からも参加しての愛好会となっているようです。仲間を増やすべく、いろんなところで講習会も開いているとのことですが、練習会場までの足の確保が一番のネックになっているようです。今年の全国大会は九州の福岡とのこと、遠過ぎるよな...あの言葉が気になりました。

Writer;村岡 陽子