□上山温泉発祥の地 「つるの休み石」
上山温泉は、長禄2年(1458年)肥前杵嶋郡の旅の僧月秀が、沼辺で鶴が脛の傷の痛みを癒しているのを見て、涌き出る湯に気づき発見したのに始まると伝えられている。この湯は「鶴脛の湯」と名付られ500年余りの昔から語り継がれている上山温泉発見の伝説である。
湯の源泉の周りに湯宿の集落ができ、湯町と呼ばれ今もその地名は生きている。湯町のほかに大正11年に新湯、昭和に入り高松・葉山温泉が開発され、現在の湯の街「上山」となっている。
市内には7つの共同浴場があり、入場料は30円と浮世離れした料金である。泉質は、含石膏食塩泉で神経痛、筋肉痛、リウマチ創傷、婦人病後回復などに効く。
温泉効用は昔から湯治という風習があったように、1日、2日温泉に行っただけでは効果がなく、温泉ツアーやグループ旅行は気分転換、ストレス発散には良いが、温泉療法で健康づくりとなると、少なくとも7〜10日間が望ましい。高齢化という時代の流れは、こうしたニーズに応える滞在型に移行してきている。
温泉は先代、またそのずっと前から受け継いできた、かけがえのない貴重な財産。その財産をどうやって次の世代へ引き継ぐことができるか、知恵が試されている時なのかもしれない。 |